英進塾_先生ブログ

英進塾の講師によるブログです

高校入試物語第37章



合格発表の日は、100以上のドラマの結末が、疾風怒濤のように押し寄せてくる日。
今はインターネット上で発表が見られるので、そのエンディングがモニタ上で数字の
羅列として表われるのは多少味気ない気がするが、その分生徒の受験した学校が
一気に開示されるので、我々もその日その時ばかりは狂騒の体。

「○○が受かった(嬉)!」「○○が受かった(驚)!」「○○はどうなった!?」

怒号と歓声が飛び交う事務所内(笑



しかし、今年も生徒一人一人に、一くくりにはできないそれぞれのドラマがあった。




とりわけ私にとって思い出深いのは、Mさん。



部活を引退する7〜8月ごろは中3と私達との作戦タイム。どの学校を第一志望にするか、その志望校にはどれだけ
足りないのか。どのくらいの努力をする準備と根性があるのか。
第一志望校合格は塾にとって至上命題ではあるが、あまりに空疎な目標はダメだ。その代わり、
たとえ現時点で大きく目標から遠くとも、本人の熱意と、努力する覚悟が本物であれば、
全力で応援する。


Mさんの第一志望は青森高校だったが、その時点で60〜70点ほど足りない状態。

「君の点数は、今の時点で60〜70点ほど足りないんだ。それでも青森高校にするか?
俺が知る限り、その点数をひっくり返して青森高校に合格できたのは2,3人しかいない。
よくよく考えて結論を出すんだよ。その上で君が出した結論なら、あらゆる方法で
応援するから。」


「……はい。」

すぐ後の電話でMさんがいったこと。

「その2,3人の中に入りたいから。青高受かりたいから。」

しどろもどろだったが、熱意が伝わってくるすてきな決意表明だった。




私の腹も決まった。








そこからは二人三脚。お母さんも含めると三人四脚。ひそかに応援していたお父さんも含めると
四人五脚。お姉ちゃんも含めると…ってきりがないか。








でも一番がんばったのはMさん。



冬休み、追加で強化クラスのパックを山ほど受講して、
ほとんど毎日塾に来ることになったときも、


「お母さんが受けていいって言ったの。ほんっとに足を向けて寝られない」


って言ってたね。


前期試験間近、週末の補習で来たとき、


「高校行ったら、今度こそ予習復習きちんとやるんだ」


って言ってたね。

前期で不合格だったときも、泣いたけど、悔しかったけど
気丈にがんばった。



「青高受けたのに、こんな点数だったなんて恥ずかしい」



って泣いていた君を忘れない。



後期試験対策、ホントに一皮剥けるってこういうことだなって思った。
英語も国語も、ズバズバ解いていく。迷いがない。効率がいい。君こそ青高にふさわしい。





後期試験前夜。受験番号を聞きにMさんに電話。



「ていうか先生、明日来てよ。」






と言うわけで、後期選抜の発表は、Mさんのご両親とMさん、そして私の4人で
喜びを分かち合うことができた。不思議な組み合わせだ(笑)。



あいにくの雨だったが、一年間の汗や涙がぶっとぶ歓喜の瞬間だった。









Mさん、「絶対合格してやる!」って言ってたのが本当になったね。



君のがんばりを、俺は尊敬してる。
マジでおめでとう。