英進塾_先生ブログ

英進塾の講師によるブログです

アメリカでのお話(12) ≪A Joy of Ceramics Class!≫

 日本の新学期は4月ですが、アメリカの大学は9月に始まります。アメリカの大学では、いくつかの制限はありますが、基本的には所属している学部に関係なく、興味のある講義は何でも受講することができました。授業開始から2週間が講義の「お試し期間」で、講義の内容や課題の種類などを確かめてから正式に登録することができます。卒業までの必修単位数は決まっていますが、実際に講義を受けてから、興味を持ち始め、さらに深く勉強したいと思うことがたびたびありました。今回はその中から印象に残っている講義を紹介します。


 アメリカ人の友人が、陶芸のクラスが面白そうだから一緒にやってみないと誘われ受講しました。小学校の時の粘土細工くらいしか経験がなく、全く予備知識も経験もなく始まりましたが、このクラスが期待以上に楽しいクラスでした。アメリカ人の教授は日本の美濃焼の工房で何年か修業をしたことがあり、日本の陶芸の素晴らしさをアメリカの授業で知りました。「逆カルチャーショック」を受けるくらいの新鮮な驚きとものづくりの楽しさを教わりました。日本の陶器の歴史や鑑賞の仕方は講義で、土つくりから製品の完成はワークショップと呼ばれる、ろくろも窯もある教室で並行して行われました。


 土の中に含まれているミネラルの微妙な成分の違いが焼き上がりに影響があるため、粘土の配合の仕方でも変わってくることを知ると、粘土をこねる手にも力が入ります。足で廻すタイプのろくろの使い方を覚えるまでは、力加減が難しかったのですが、一度覚えると、作品作りにすっかりはまってしまい時間を忘れるくらいでした。 


 粘土作り → ろくろ廻し → 乾燥 →  素焼き → 釉薬(うわぐすり) → 窯入れ 

 作品のおよそのイメージはあっても、窯の中での温度や熱のまわり具合によって釉薬の変化が微妙に変わってくるため、焼きあがったあとの窯を開けるときは、本当にみな息をのむ緊張の一瞬だったことを覚えています。


LESSON 12 アメリカで 学ぶ感動 「わび」と「さび」