英進塾_先生ブログ

英進塾の講師によるブログです

ああ、荒野[Nothing ventured, nothing gained ]


カール=マルクスは、その著書『ドイツ・イデオロギー』のなかで、『本当に「自然」といえるようなものは、現在オーストラリアに新しくできた珊瑚礁くらいしか残されてはいない』というようなことを書いていた。マルクス的文脈からすると、人間の手が直接的に入ること(森林伐採、水産・鉱山資源利用など)だけでなく、貨幣経済の下で、すべてが潜在的に貨幣に換算されることを示しているのだろう。


だが、もっと感覚的に、探検すべき「未開」の地、侵略すべきフロンティアがないということは、少年たちの心を萎えさせる。スプートニクもガガーリンもリアルタイムで知らない私たち。新たなるフロンティアは、内側(ミクロ/ナノ)の世界か。あるいは映画『マトリクス』のようなサイバーフロンティアか。だが、それらは何かみみっちい。せこい。海賊が宝をぶん取るような、胸のすく冒険が絶対に不可能だということは、やはり寂しい。


          一粒の 向日葵の種 まきしのみに 荒野をわれの 処女地と呼びき 

                   
私の読書生活の手引きとなった、寺山修司の短歌である。


何もない荒野。自分の非力さをまざまざと思い知らせるような荒野。しかし、一粒のひまわりの種をそこに植えただけで、想像力は飛躍する。やがてできるかもしれない向日葵畑を想像しているのではない。実際少年にとって向日葵畑が何ほどの価値があろうか。少年は、この荒野を潜在的に侵略するのだ。何がそこから始まるのかなど問題ではない。「始まり」という圧倒的な一撃に頬を紅潮させ、荒野に立ちすくむ少年が目に浮かぶようだ。



荒野に立つ少年のようであれ。荒野を見つけられない人生ならば、生きている甲斐がないではないか。







夏期講習も中盤に差し掛かりましたが、講習生の募集が好調です。講義形式の5教科クラス、個別指導形式の強化クラス、双方とも例年よりたくさんの方にご利用いただいています。



背景には、教科書改訂による学習内容の大幅増があるでしょう。単に募集人数にとどまらず、WEBのアクセス解析を見ても、例年の倍ほどの人数の方が閲覧してくださっています。また、お一方が閲覧する時間も長く、検索ワードも受験制度や教科書改訂に関するものが多くなっています。青森市内における保護者の皆様の教育意識が高いことが伺えます。



手前味噌ですが、強化クラスはもうパンパンに埋まっている教室もあります…
強化クラスの予約表がすごいことに…。




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