英進塾_先生ブログ

英進塾の講師によるブログです

教科書の『あるルール』


皆さんは,普段目にしている教科書の『あるルール』にお気づきでしょうか。

その『あるルール』とは,

『横書きの教科書(社会・算数/数学・理科)の読点は「、」ではなく「,」を使用している』
(国語のたまにある横書き部分は「,」)

です。


身の回りの関係ありそうなものを調べてみました。

1.新 聞 ⇒ 基本は横書きだが,一部横書きのものも「、。」を用いている。
2.教科書 ⇒ 横書きのものは全て,「,。」を用いている。
3.文部科学省HP ⇒ 「、。」を用いている。白書などは「,。」を用いている。 

ちょっと気になります。さらに調べると,

『句読法案』文部大臣官房圖書課(昔)
【くぎり符号の適用は一種の修辞であるから,
 文の論理的なすぢみちを乱さない範囲内で自由に加減し,
 あるひはこの案を参考として更に他の符号を使つてもよい.
 なほ,読者の年齢や知識の程度に応じて,
 その適用について手心を加へるべきである.】
(要約:「わかりやすければなんでもいい。」)

『文部省刊行物表記の基準-国語の書き表し方-』『公用文作成の要領』文部省(ちょっと昔)
【くぎり符号の使い方は,縦書きの場合と同じである.ただし,横書きの場合は「、」を用いず,「,」を用いる.】
(要約:「わたしたちは「,」で統一します。」)
文部科学省になってから『公文書でも文書中で統一が取れているならば横書きで「、。」でもよい』

『記者ハンドブック』共同通信社発刊
【文章の区切りを示すための句点は『。』、読点は『、』を使う。『.』『,』は使わない】
(要約:「わたしたちは「、」で統一します。」)


まとめると,
記者・新聞は【「、。」を使うのがルール】
文部科学省は【「,。」を使うのがルールだが,統一して読みやすければ「、。」でもよい】
となりました。


私は,「,。」タイプの人間です。
無意識にパソコンのキーボードでは,
「、」の入力後わざわざスペースキーを押して「,」に直すのがクセになってます。


今は「,。」の多い教科書ですが,「、。」を見つける日がくるかもしれません。
見つけたら教えてください(笑)。