英進塾_先生ブログ

英進塾の講師によるブログです

アメリカでのお話(8)

 湖の数が1万以上ある、ミネソタの冬の楽しみは何と言ってもアイスフィッシングです。


 冬の平均気温がマイナス13℃ですから、湖はあっという間に氷結します。やがて、氷も厚くなると、自家用車も乗り入れることができるようになります。そうなると、いよいよ、フィッシュハウスの登場です。フィッシュハウスとは、畳3枚ほどの広さの屋根つきの小さな魚釣り専用の小屋です。夏の間は、湖のほとりに置いてありますが、湖の氷が十分厚くなると、家族総出でこのフィッシュハウスを、湖の氷の上まで移動させます。


 湖の氷は場所によっては1m近くにもなるために、氷に穴を開けるために、木を切るためのチェーンソーか電動ドリルが必要になります。50cm四方ほどの穴を開けると、いよいよアイスフィッシングの開始になります。  
 
 フィッシュハウスの外は氷点下20℃でも中は暖房をつけているので暖かく、半そでのTシャツで過ごせます。デコイと呼ばれる、関節の動きが魚にそっくりな疑似餌を湖の中に投入し、左手でそのデコイを上手に泳がせていると、厳しい冬の間、餌も友達も少ない、湖の中の魚たちが近寄ってきます。そこを、右手に持った銛(もり)でシュッと取るのですが、これが、難しいのです。魚も水中から外の様子が見えているので、警戒されないように目を合わせるな、と友人は言いますが、見ないと突けないし、魚と目が合うと逃げてしまうし、見た目ほど簡単ではありませんでした。魚との駆け引きに精通している友人の父は、魚と目を合わせず、いとも簡単に射止めていきます。やはり、小さいころからやっているだけのことはあります。釣れた魚はフィッシュハウスの外へ出しておくだけで、天然の冷凍庫なので、あっという間に凍ってしまいます。


 外の仕掛けておいた釣竿も、たまに覗くとかかっているものもあります。ミネソタの湖で釣れるのは、ノーザンパイクスやウォーライと呼ばれる白身の魚で、衣をつけて揚げると、とてもおいしいのです。ただ、自然保護のために乱獲が禁止されていて、魚を釣るためにはフィシングライセンスを買わなければならず、それぞれの季節ごとに、釣っていい魚の種類と大きさ、そして漁獲量などの細かいルールが決められています。時々、見回りに来る査察官が違反が見つけると莫大な反則金が科せられるので、ここで釣りをする人はみな、大きさと数は守っています。 


 釣りに飽きると、見渡す限りの天然のスケートリンクですから、迷子にならないように気分転換のスケート靴を履いてのお散歩もできます。また、やってみたいなあ!
 
LESSON 8 湖中から あなた下手ねと 魚(うお)笑う!