英進塾_先生ブログ

英進塾の講師によるブログです

アメリカでのお話〈5〉

 私が通っていたミネソタ大学は、北アメリカ大陸を南北に流れるミシシッピ川をはさむように東側(East Bank)と西側(West Bank)の両方にキャンパスがありました。


 そこにかかっている橋は約2キロもある長いもので、下が一般の自動車道で、上が自転車と歩行者用と2階構造になっていました。橋の上からミネアポリスの中心街を見ると、高層ビル群や東京ドームのお手本となったヒューバート.H.ハンフリーメトロドームが見えます。橋の下はメサビ鉄山でとれた鉄鉱石やをこの周辺で収穫された小麦やとうもろこしの穀物を積んだタンカーがひっきりなしに行き来しています。


 時間のあるときは、周りの木々の様子や景色を楽しみながら、友人たちとゆっくり話ができるのですが、講義と講義の間が15分なので、その間に川を越えたとなりのキャンパスで連続して授業があるときは、交通手段としての自転車は必要不可欠でした。広いキャンパス内だけでなく、学生にとって自転車は本当に「足」でした。


 大学での授業は学期の初めに渡る「シラバス」という授業予定表に基づいて進められます。教科書、図書館の参考文献の何ページから何ページという決められたものを予習しなければ、講義は全く理解できません。アメリカ人の友人たちでも楽ではない量ですから、留学生の私たちには本当についていくのがやっとでした。そのため、図書館で、翌日の予習をこなし、講義の最中は必死に板書をし、聞き取れないところはカセットレコーダーで、講義を録音しておいて、後で授業ノートに補足を書き込むという生活でした。自分の寮の部屋は個室でしたが眠るための部屋で、1日のほとんどは図書館で過ごしていました。


 大学4年生のある日、午後11時の図書館の閉館時間後、さあ、これから続きは寮の図書室に場所を変えてやろうと外に出て自分の自転車を探したのですが、とめたはずのところにないのです。アメリカでは自転車の盗難が多いので、自分の自転車も前輪を外して後輪と一緒にU字型の手錠のような太いロックでSTOP(止まれ)の標識の柱に結び付けていたのです。ところが出てみると、その標識そのものを抜いて持っていったようなのです。結局愛車は見つかりませんでした。

LESSON 5 気をつけよう、絶対安心はありません(T . T)

先生んちの野菜畑 September 2012

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かかしロード2012